2025年3月、インターグ社内で新たな取り組みがスタートしました。その名も「さんくすカード」。
手書きのカードで感謝の気持ちを伝え合うというシンプルな仕組みですが、部署を越えたつながりを生み、少しずつ社内の雰囲気に温かい変化が起きはじめています。
今回はこのプロジェクトを企画・推進した組織開発メンバーの田子さんに、その背景や導入後の手応えを聞きました。
感謝を伝える文化を、もっと丁寧に育てていきたい

── 早速ですが、「さんすくカード」を導入しようと思ったきっかけを教えてください。
インターグには、承認の文化が根づいており、日常の中でもメンバー同士が互いの行動や想いに目を向け、認め合う場面が自然に生まれています。
ただ、そうしたやり取りが日々の中に溶け込んでいるからこそ、時にはその感謝の気持ちが、どこか形式的に受け取られてしまうこともあるのではないかと感じていました。
また、普段の業務では、他部署のメンバーと接点を持つ機会が限られていることもありました。
誰がどんな仕事をしているのか、どんな想いで取り組んでいるのか――そうしたことを知るきっかけがあれば、部署を越えた関係づくりにもつながるのではないかと感じていました。
一人の感謝から、自分の強みに気づく
さらに、感謝の言葉を通じて、自分の強みに気づく場が生まれるのではという考えもありました。
インターグには「ポテンシャル追求」という価値観がありますが、そもそも、自分の強みを知らない人もいるのではと感じていました。
誰かの言葉を通じて、「自分のこういうところ、ちゃんと見てもらえていたんだ!」と気づけることが、自信や自己理解につながることもあると思っています。
こうしたさまざまな気づきや想いが重なって、「さんすくカード」という取り組みが形になっていきました。
あえて手書きにこだわった理由

── Slackなどのツールもある中で、紙で運用しているのが印象的でした。
確かに最初は、いつも業務で使用しているSlackを活用する案もありましたが、「人前で投稿するのはちょっと緊張する」「Slackでメンションされるのが恥ずかしい」といった声もありました。
そうした中で、もっと気軽に、気持ちを伝えられる方法として紙のカードがいいのではという話になりました。
手書きには温かみがありますし、「自分のために時間をかけて書いてくれた」という気持ちが伝わるのも大きなポイントです。
また、もらったカードを手帳に挟んだり、デスクに貼ったりできるのも紙ならではの良さだと思っています。
「さんくすカード」を貼るための台紙は、デザイナーのメンバーと連携して、細部までこだわってデザインを仕上げました。
ハートのモチーフには、「感謝の気持ちでハートの中をいっぱいにしよう」というメッセージも込めています。
また、思わず「貼ってみたいな」と感じてもらえるよう、可愛らしさも意識しました。
色の配置やグラデーションにも工夫を凝らし、温かみのある雰囲気に仕上がったと思います。
いつでも自由に、自然に書ける仕組みに
── 実際の運用方法について教えてください。
「さんすくカード」は、いつでも自由に書けるようになっていて、メンバーが「このタイミングで伝えたい」と思ったときに書いています。書き終わったら、掲示されている台紙に貼っていきます。
今後は月に1回、回収を行い、それぞれのカードを届けるかたちで運用する予定です。
ルールは特に決めていなくて、書く枚数も自由です。無理なく自然に続けられることを大切にしています。
── 印象に残っている声やエピソードがあれば教えてください。
「もらえると素直に嬉しい」「手書きってやっぱりいいですね」といった声が多く寄せられ、それだけでもとても励みになりました。
特に印象的だったのは、多くのメンバーが終業前の5分ほどの時間を使って、その日関わった人のことを思い浮かべながらカードを書いている姿です。
一枚一枚、決して流れ作業のように書くのではなく、丁寧に気持ちを込めて書いている様子を見て、「感謝を伝えることを大切にしてくれているんだな」と感じました。
また、掲示されたカードを見た他のメンバーが、「自分も書いてみようかな」と自然に輪に加わっていく場面もありました。
こうした小さな行動が、会話のきっかけやチームの温かいつながりを生み出していると感じています。
これからも、自然に続けていける取り組みにしたい
── この取り組みをこれからどのように育てていきたいですか?
今後は、もらったカードをどうやって残していくかを考えていきたいと思っています。
例えば、専用のノートに貼ってまとめていけるような工夫ができたらいいな、という話も出ています。
まだ始まったばかりの取り組みですが、これからも無理なく、自然に続けていけたら嬉しいです。

インタビューのご協力、ありがとうございました!
最後に
感謝の気持ちを言葉にするのは、簡単なようで、少し照れくさかったり、忙しさのなかで伝えるタイミングを逃してしまうこともあるものです。
そんな日常の中で、気持ちをそっと形にして相手に届けられる「さんくすカード」は、感謝を伝えるきっかけとして、とても温かな取り組みだと感じました。
たった一言でも、それが誰かの励みになったり、自分自身の気づきにつながることもあります。
カードに綴られた「ありがとう」が目に見える形で共有されていくことで、社内の空気にも少しずつやさしい変化が生まれているように思います。
こうしたやりとりが、これからも自然と広がっていくといいなと思います。