社内ポータルサイトは、業務に関する情報共有や、社員同士のコミュニケーションを円滑にするための重要な役割を持つツールです。
しかしながら、自社に合わない社内ポータルサイトを利用していると、何かしらの不便を感じたり、情報をすぐに取り出しにくいと感じる場合もあると思います。
インターグでも、以前から社内ポータルサイトを運用していましたが、チームやプロジェクト間での情報共有をさらに効率的に行うため、約2年前に使用ツールを「Googleサイト」から「Notion」へ移行をしました。
そこで今回の記事では、実際の運用経験をもとに、Notionで社内ポータルサイトを作成するメリットやデメリット、導入の効果や使いやすさを解説します。
社内ポータルサイトとは
「社内ポータルサイト」とは、一言で言うと「自社が保有する情報にアクセスするための入口」です。
社員が必要な情報を容易に取り出すことができたり、資料を検索・閲覧することが可能です。
例えば、社員名簿や、経費・勤怠などの申請方法、プロジェクト管理ツール、社内報など、さまざまな機能や情報が統合されています。
また、これらの情報を必要に応じて更新・管理することができます。
社内ポータルサイトは、特定の企業内だけのポータルサイトですので、基本的にはその会社の従業員のみが閲覧できる仕様になっています。
閲覧制限が設けられているため、権限のある者だけがアクセスできるようになっているのが一般的です。
Notionとは
過去にこちらの記事でNotionについて解説をしましたが、おさらいも兼ねてNotionの特徴をご説明します。
Notionは、タスク管理やドキュメント作成、データベース構築など多機能なオールインワンのツールです。
シンプルで直感的なインターフェースにより、プロジェクト管理や個人のメモから、チームのコラボレーションまで幅広い用途で利用できます。
ユーザーは自分のワークスペースをカスタマイズし、テキスト、チェックリスト、画像、リンクなどを自由に組み合わせて、効率的に情報を整理・管理することが可能です。
Notionの機能
Notionは豊富な機能を備えており、個人やプロジェクト、チームのニーズに合わせて柔軟に活用できるのが特徴です。
実際に近年、個人からチームまで幅広い用途でNotionが利用されており、ワークフローの改善や情報整理に役立つツールとして注目を集めています。
今回は代表して、大きく4つの特徴をピックアップしてご説明します。
ページ作成とカスタマイズ
Notionでは、メモやプロジェクト、会議の議事録など、様々な情報を「ページ」として管理できます。
テキストだけでなく、画像、リンク、チェックリスト、コードブロックなどを自由に挿入し、カスタマイズも自在です。
直感的なドラッグ&ドロップ操作で、ページのレイアウトを調整することができます。
データベース機能
データベースを作成し、情報をカレンダー、ガントチャート、ボードビュー、リストなどの形式で管理できます。
例えば、プロジェクト管理のシーンでは、カンバンボードを活用してタスクを進捗に合わせて自由に移動することができますし、日程管理にはカレンダービューを使うことができます。
なお、データベースは複数のビューで切り替えられ、フィルターやソート機能も備えているので非常に便利です。
ちなみにインターグでは、カレンダービューを使って日々の議事録の管理をしています。実際に該当の打ち合わせに参加していないメンバーも後から簡単に議事録を閲覧できるので、簡単に情報を取得することができます。
テンプレート
Notionには、仕事をはじめ、生活や勉強など、管理に使えるテンプレートが豊富に用意されています。
テンプレートを使うことで、すぐに目的に合ったページを作成し始められるため、効率的に作業を進めることができます。また、カスタマイズも可能で、自分に最適なワークフローを構築しやすくなっています。
こちらのページでは、さまざまなテンプレートが掲載されています。
「一から作るのは大変...」という方はぜひチェックしてみてください。
コラボレーションと共有
Notionは、チームでのコラボレーションにも適しており、他のメンバーとリアルタイムでページを編集したり、コメントを残したりできます。
個人のページからチーム全体のプロジェクトページまで、権限の設定を行いながら共有できるため、効率的に情報を整理しながら進捗を管理することが可能です。
Notionで社内ポータルサイトを作成するメリット
社内ポータルサイトを作成するためのツールは数多く存在しています。
特にその中でも、Notionは社内ポータルサイトの作成におすすめのツールだと思います。
実際にインターグでもNotionを活用して社内ポータルサイトを作成した結果、他のツールにはない高い柔軟性や機能性を体感できました。
そこで以下では、Notionで社内ポータルサイトを作成するメリットについて、ポイントを押さえながらご紹介したいと思います。
- 情報の一元管理とアクセスのしやすさ
社内ポータルサイトには、会社の規定や手順書、各種申請の方法、FAQ、チームの進捗状況など、多岐にわたる情報を集約する必要があります。
その点、Notionではこれらの情報を階層的に整理して配置できるため、社員が必要な情報にすぐアクセスできる環境を構築できます。
検索機能も優れているため、もし仮に「あれ、あの資料どこにあったっけ?」と必要な資料の場所がわからない場合でも、検索機能を活用すればすぐに資料を見つけることが可能です。 - カスタマイズ性の高さ
Notionは多様なレイアウトやページ構成が可能なため、企業のブランドや文化に合わせた社内ポータルサイトをカスタマイズできます。
例えば、ページ内に画像やアイコンを使って視覚的にわかりやすく整理したり、タスク管理ボードやカレンダー機能を組み込んだりと、さまざまな用途に応じたデザインを構築できます。 - リアルタイムでの情報共有
Notionは、常に情報がリアルタイムで共有されます。
更新内容はすぐに全社員が確認でき、コメント機能を活用すれば、 社内ポータルサイト内で意見交換も可能です。
こうした機能を活用することでチームの連携がよりスピーディになり、社内のコミュニケーションに繋がります。 - テンプレートを活用して作成ができる
Notionには、社内手続き、プロジェクト進捗、FAQページ、社員ディレクトリなど、社内ポータルサイトに役立つ様々なテンプレートが揃っていますので、これらのテンプレートを利用することで、素早くポータルを立ち上げることができ、運用までの準備期間を短縮できます。 - 運用コストの削減
従来の専用システムや他のポータルサイト構築ツールは、高額なライセンス費用や保守コストがかかることが多いですが、Notionであれば無料プランや、低コストの有料プランで社内ポータルサイトの運営が可能です。
予算を抑えつつ、豊富な機能を活用できるため、企業規模を問わず導入しやすいのも大きな魅力です。
Notionで社内ポータルサイトを作成する注意点
非常に柔軟性が高く便利なNotionですが、以下のような場合、Notionで社内ポータルを作成するのはあまり向いていないかもしれません。
250名以上の規模で使う場合
Notionは現状、最大250名まで使用可能となっています(※エンタープライズ版を使用する場合)。
そのため、250名を超える人数で社内ポータルサイトを使用したいという場合、Notion以外のツールを使用する必要があります。
ITに不慣れな場合
Notionは便利な編集機能が豊富に備わっています。
その分、普段からあまりパソコンを触らない方や、ITに不慣れな場合、直感的に使いこなせないことがあると思います。
実際にNotionで社内ポータルサイトを作成した結果
冒頭でも触れた通り、インターグでは社内ポータルサイトを「Googleサイト」から「Notion」へ移行をしました。
そもそも移行をするきっかけとなったのは、Notionの魅力の1つでもある「情報の一元管理」にあります。
社内ポータルサイトをNotionへ移行する前、インターグではすでに議事録やチームの資料などは全てNotionで管理していました。
そのため、ここに新たに社内ポータルサイトという「様々な情報にアクセスするための入口」を設置することで、社内の全ての情報がNotionに集約され、一元管理できるようになりました。
結果として、社内に最適な環境が構築でき、社員からも「見やすくて、情報をスムーズに取り出しやすくなった」と言う声や、申請方法や業務に関する管理部への問い合わせも減りました。
こうした社内での改善事例を直に見ると、Notionで社内ポータルサイトを作成して本当に良かったと思います。
柔軟性の高いNotionはどんな企業にもおすすめできますが、特にひとつのツールであらゆる用途に活用できるツールを探している方には、とても相性の良いツールだと言えます。
まとめ
今回は、Notionを活用した社内ポータルサイトの魅力や、実際にNotionで社内ポータルサイトを作成した感想などをご紹介しました。
実際に導入した経験からも感じたことですが、Notionの直感的な操作性や柔軟なカスタマイズ性により、比較的簡単にポータルサイトを立ち上げることができます。
また、最後にNotionの魅力をもう1つ挙げるとするならば、魅力的な機能が続々と追加される「アップデート」があります。
最近では、Googleフォームのような形で「Notion上にフォームを作成する」機能や、好きな絵文字を追加できる「カスタム絵文字」の機能、ページ内の「レイアウトのカスタマイズ」機能などが新たに追加されました。
こうした新機能を活用することで、より一層作業の効率化やコミュニケーションの活性化を促すことに繋がると思います。
今後もNotionのアップデートに注目していきたいですね。